題字書き 作業手順
 2006年の題字書き(2006年:新相)の作業手順を説明します。

1 作業前準備

(1)題字の決定
 毎年の凧の題字は、相模原市内に在住、在勤、通学されている方々から公募し、相模原市と相模の大凧文化保存会役員で選びます(毎年1月)。当選者は大凧祭りの初日に表彰されます。

(2)題字の元原稿作成
 決定した題字を相模原市長に筆書きを依頼します。(2月)

(3)原図の作成
 パソコンを使用して、元原稿を基礎にして、新戸大凧の伝統的な字のスタイルで方眼(碁盤の目)紙に原図を作成します。(3月)

(4)紙貼り
 小貼り、大貼りを行い、4間×1間(7.2m×1.8m)の紙を16枚作成します。




<原図>
2 作業準備

(1)題字書き場所の決定
 新磯高校体育館、新磯小学校体育館、大凧センター等の各施設の空き状況を調べて、凧製作の日程を調整して決定します。(2月)

(2)題字書き材料の準備
 題字書き材料を準備します。
  
@ビニールシート、ブル−シート(施設の床を塗料等で汚さないため敷く。)
Aガムテープ(シートを床に張り押える。)
Bライン引き用紐(原図と同じ方眼ラインを引くため。)
C赤と青のチョーク(ライン引き用)
Dコンテ(輪郭下書き用)(伝統は桑の木の消し炭)
E軸棒(竹製)(コンテを取り付けて輪郭下書き。)
F塗料 黒(墨汁)(輪郭用、ナンバー付記用)、赤(食紅)、青(緑錆)
G水(塗料薄め用)
H量秤(塗料を量る)
Iバケツ、桶(塗料調合用)  皿(塗料作業用)
J刷毛(障子貼り、ペンキ塗り用を使用)  筆(書道用を使用)
K食パン(消し材用) 塩素(色消し用)
L箒、塵取(消し材等の使用後のくずを除去)

3 題字書き作業(4月上旬)

(1)ビニールシート張り
 床の汚れ防止するために、凧の大きさよりゆとりを持って広くビニールシートで張り、ガムテープで床に固定します。
   

(2)ブルールシート敷き
 塗料を調合する場所にブルーシートを敷きます。

(3)紙並べ
 16枚の紙を並べます。各角を押さえ紐で連結して、ガムテープで床に固定します。

<16枚の紙を揃える>
(4)ライン引き
 原図に合わせて、ライン引き用紐を張り、チョークで方眼(碁盤の目)のラインを引きます。赤ラインは1間間隔、青ラインは半間間隔で引きます

(5)輪郭を下書き
 原図の碁盤の目に合わせて、コンテを付けた軸棒で、字の輪郭の下書きを描きます。修正は、食パンで消して、屑は刷毛又は箒、塵取で除去します。
<軸棒にコンテを取り付け> <下書きを描く>

(6)輪郭を書く
 筆を使って、墨汁で題字の輪郭を描きます。
<墨汁を調合> <輪郭を描く>

(7)塗料調合
 塗料を量秤で計量して水と調合、色の濃淡を決定して塗料を作ります。
<赤(食紅)> <塗料を量秤で計量> <緑(緑錆)> <水と調合>

(8)題字を塗る
  
@塗料をバケツ、桶から皿に小出しに移します。
A刷毛で題字の輪郭内を字の書き順の方向に刷毛を運び、塗り潰さないでかすれさせて、筆勢を表します。
B右上の赤い字は太陽を、左下の緑の字は大地を表しています。
C修正、はみ出た色や汚れは塩素を使用して色を消します。

(9)小文字書き
 題字の他に、「新戸大凧保存会」等の字を隅に入れます。

(10)各紙に番号付す
 題字書き終了後、墨汁で各紙に左右上から一〜八の番号を付加します。(凧骨に貼り付ける(結ぶ)場所を指定)

(11)乾かす
 屋外の風通し良い場所で乾かします。

(12)収納
 大凧まつり当日まで、収納します。

<解説:新戸大凧保存会 山口星司、写真:新戸大凧保存会 渋谷隆司>

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